2015年7月
拝啓
7月になりましたが、昨年に引き続きエルニーニョ現象の影響で例年よりも梅雨明けが遅くなる見込みのようです。すっきりとしない天気が続く中ではございますがいかがお過ごしでしょうか。皆様にお かれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、今回は役員給与について触れていきたいと思います。役員給与を計上又は変更する場合、ある一定の要件を満たさなければその一部が損金として計上できなくなることもあるため注意が必要です。
定期同額給与
従業員の給与と同様に役員給与を損金として計上するためには以下の要件を満たす必要があります。
- 支給期間が一ヶ月以下の一定の期間ごとであること
- その各支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること
役員給与の改定
役員給与を変更することは原則として認められておりませんが、以下の事由に該当すればその変更 が認められ、全額を損金として計上することができます。
- 定時株主総会等での改定
決算日から3ヶ月以内に行われる株主総会等において役員給与を改定した場合で、改定前及び改定 後の各支給日において同額の給与を支払っている場合 - 業績悪化改定
経営状況が著しく悪化したこと(倒産の危機や予想以上の損失など)や、第3者(株主、債権者、取 引先等)との関係上、役員給与を減額せざるを得なくなった場合 - 臨時改定
役員の職制上の地位の変更(取締役から代表取締役への就任など)、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情が起こった場合
以上のように役員給与は、特別な事由がない限り、一般的には「定時株主総会等での改定」により変更することとなります。上記の事由に該当しない改定により増額した場合には増額後の増加部分が損金 不算入となり、減額した場合には減額前の減額部分が損金不算入となってしまいます。また、業績悪化 改定や臨時改定を行う場合にはそれを証明するものが必要となります。増額の場合は業績が上がった分の利益処分と捉えられてしまうため、損金として認められないケースが多くあります。何かご不明な点 等がございましたら当事務所までお問い合わせ下さい。
敬具
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作成者 加瀬裕士