緊急
2019年9月
拝啓
残暑の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。甲子園が閉幕し熱い夏は過ぎましたが、暑い日々はまだまだ続いております。さて、10月8日から法人向けがん保険の保険料の損金算入に制限がかかることをご存知でしょうか。今回は節税保険の損金算入についてご紹介したいと思います。
これまでの節税保険
保険期間が終身で払込期間が有期の保険のうち、解約返戻金がゼロあるいはごく少額なものは、保険料の支払いの都度、その全額を損金に算入することが例外的に認められていました。これを利用し、会社が黒字の期に多額の保険料を支払って、法人税を大きく減らすことが可能となっておりました。しかし、目立った節税策は国税当局が目を光らせております。4月に行われたパブリックコメントを経て、6月28日に新通達を公表し、この節税保険に規制をかけることが確定しました。
これからの節税保険
6月28日に公表された新通達により、10月8日以降に契約を結ぶ終身タイプのがん保険等(保険料が短期払いで返戻金がゼロあるいはごく少額のもの)の保険料の損金算入額が30万円に制限されます。(10月8日以前の契約に係る保険料の取扱いについては従来通りになります。)
1 被保険者につき、年額30万円以下の保険料の支払いなら従来通り損金に算入することを認め、30万円を超えるようならその保険期間の経過に合わせて損金を計上することとなりました。保険期間は被保険者の保険期間開始の日から116歳までの期間となります。このタイプ保険に複数加入し保険料を支払っている場合は、合算して30万円の判定を行うことになります。
- 年間保険料が20万円の場合→30万円以下のため、全額損金算入となる。
- 56歳の時に年間保険料が100万円(支払期間3年で計300万円)の場合→30万円を超えるため、前払保険料として処理し
保険期間の経過に合わせて損金算入となる。
116歳−56歳=60年(720月)
300万円/720月×12ヵ月=50,000円(年間の損金算入額)
今後この節税保険を利用する場合、保険料を30万円以下に抑えた方がスムーズに節税することができますが、いずれにしても節税効果は大幅に縮小しております。節税目的で加入をお考えの場合、施工日までのこの1ヵ月の間に検討することをお勧めいたします。
何かご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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作成者 堀川一輝