事務所便り

墨田区の税理士・大西会計事務所事務所便り → 役員貸付金・役員借入金とそのリスク

事務所便り

2023年6月

梅雨の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。今回は、役員貸付金・役員借入金とそのリスクに関しましてご説明いたします。


役員貸付金の発生原因とデメリット

「役員貸付金」とは文字通り、会社から社長などの役員(以下、社長と称します)への貸付を行うことで発生します。他にも、社長のプライベートな出費を法人名義のクレジットカードで支払う、などといった場合にも発生します。少額であればさほど影響はありませんが、清算しないまま膨れ上がってしまうと3つのデメリットが生じてしまいます。

  1. 利息収入を計上しなければならない例えば令和4年中に発生した貸付金に対しては0.9%の利息を計上しなければなりません。(※利率は年によって変動します)そのため、結果的に会社の収入になってしまいます。
  2. 役員賞与とみなされてしまう清算しないまま放置していると税務署から役員賞与だと指摘を受けてしまいます。つまり社長個人の所得として扱われてしまうため多額の社会保険料、所得税、住民税に加え、場合により重加算税等も課される可能性もあります。
  3. 銀行融資の審査に通りにくくなる会社の決算書に「役員貸付金」を記載していると、金融機関は「事業のための融資を社長が流用している」と考えるため融資審査に通りにくくなってしまいます。

役員貸付金の清算

役員貸付金は社長が会社に返済することで相殺されますので、役員報酬を増額し毎月相殺していくのが一般的だと思われます。しかし、社会保険料や社長個人の所得税、住民税の負担も大きくなります。


役員借入金の発生原因とデメリット

前述した「役員貸付金」と対照的に「役員借入金」という勘定科目も存在し、会社が社長個人からの借入を行う事で発生します。また、会社の経費を社長個人が立て替えた場合などにも発生します。
役員借入金が発生している場合は、役員貸付金のような大きなデメリットは無いと考えてもらってかまいません。しかし、社長の財産として扱われるため、相続税の計算の対象となる点に注意が必要です。

上記2つの科目が発生している場合、相殺させる事も可能です
また、役員借入金より役員貸付金のデメリットは大きいため、役員貸付金を定期的に清算していく、そもそも発生させない、といった事が重要です。

末筆ではございますが、今月より新しく制作担当となりました礒崎弘之と申します。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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作成者 礒崎 弘之

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