2023年9月
初秋の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。さて、いよいよ来月10月1日からインボイス制度が施行されます。今月の事務所便りではインボイス制度における負担軽減措置について4つほどご紹介させていただきます。
2割特例
免税事業者がインボイス発行事業者(課税事業者)になった場合、売上で預かった消費税額の2割を消費税納付額とすることができます。なお、事前の届出提出等は不要なため、申告時に適用するか選択することになります。適用期間はインボイス制度開始から3年間(令和8年9月30日まで)です。
少額特例
課税事業者が仕入税額控除を受けるには、インボイス番号等を記載した適格請求書の保存が必要になります。しかし、基準期間※1の課税売上高1億円以下、特定期間※2の課税売上高が5,000万円以下の事業者の場合、税込1万円未満であれば適格請求書の保存が不要となり帳簿への記帳だけで仕入税額控除が可能です。なお、適用期間はインボイス制度開始から6年間(令和11年9月30日まで)です。
法人の前々事業年度、個人事業主の前々年
法人の前事業年度開始から6か月、個人事業主の前年1月1日から6月30日まで
3万円未満の公共交通機関
鉄道やバスなどの公共交通機関(タクシーを除く)による費用に関しては3万円未満であれば適格請求書の保存は不要です。また、自動販売機やATMの手数料なども同様に3万円未満であれば帳簿への記帳だけで仕入税額控除が可能です。なお、事業規模による条件や期限等はありません。
経過措置
免税事業者などのインボイス非発行事業者へ支払う費用であっても、インボイス制度開始から3年間は仕入等で支払った消費税相当額の80%、次の3年間は同じく50%を控除することが可能です。なお、事業規模等による条件はありません。
以上、4つをご紹介させていただきました。免税事業者である法人や個人事業主の中には、直前までご検討されている方もいらっしゃるかと思います。制度開始10月1日よりインボイス発行事業者としてご登録される場合、9月30日までの申請が必要となりますのでご注意ください。また、申請から実際にインボイス登録番号が発行されるまでおよそ1か月から2か月ほどかかることが予想されますので希望される方はお早めの申請をお願いいたします。
インボイス制度の施行も迫る中、電子帳簿保存法の猶予期間も2023年12月31日で終了となります。インボイス制度と併せて電帳法への対応も進めてみてはいかがでしょうか。
ご不明点、気になる点等ございましたらお気軽に弊所までご連絡ください。
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作成者 礒崎 弘之