2024年9月
初秋の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、早速ですが役員の退職金についてご紹介させていただきます。退職金の支給方法は退職時に一括で支払う一時退職金と、退職後に分割で支払う退職年金の2パターンがあります。今回は一時退職金を前提に記述させていただきます。
退職所得の特別控除
まず退職金を受け取った際の所得ですが、退職金から退職所得控除額(下図)を差し引いた額の半分が退職所得になります。
勤続年数が5年以下の役員の場合に限り、退職所得控除後の全額が退職所得となります。
退職所得控除額 | |
勤続年数20年以下 | 勤続年数20年超 |
40万円 ×勤続年数 | 800万円 + 70×(勤続年数−20) |
役員退職金額の決め方
役員へ支払う退職金の金額は株主総会で決議される限りどんなに高額でも可能です。
しかし国税が「相応と認める金額」を超える部分は否認され法人の損金として計上できなくなる場合があります。そのため国税の容認している計算方法の功績倍率法を参考に決めるのが慣習となっています。
功績倍率法
功績倍率法とは退職前の役員報酬、勤続年数、職責などを基にした計算方法です。
功績倍率法 |
役員報酬月額×勤続年数×功績倍率 |
功績倍率に関しては具体的な数字や算出方法が明文化されていません。一般的に社長であれば3倍が目安と言われてはいますが、明文化されていない以上3倍であれば問題ないというわけではなく、否認される可能性は残ることに注意が必要です。
役員退職金は任意性も大きいため否認されるリスクを考慮しなければなりません。役員退職金に関する規定を作成する場合などにはぜひご一報ください。
ご不明点などございましたら各社担当の者までご連絡ください。
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アルカイースト5階
大西会計事務所
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FAX03(3621)3843
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作成者 礒崎 弘之